Jun 29, 2011

憧れの会員制リゾートホテル

前の夫の職場が会員になっている会員制リゾートホテル宿泊したことがあるが、それまでのビジネスホテルクラスだけだった我が家には夢のような滞在だった。お部屋もまんまと優秀なスタッフのマナーも素晴らしく、自分たちは、不適切かもしれないと思っていた、とても素敵な一日を送ることができる。いつか会員制リゾートホテルの会員になりたいと思っていたが、そんな日が来るのだろうか。
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【ホッと一息@北海道】

 取材で出会った道内の文化関係者から、「もう行きましたか」と異口同音に勧められる場所がある。美唄市にある「アルテピアッツァ美唄」は、旧小学校校舎を中心とした山あいの広い敷地に、世界的な彫刻家、安田侃(かん)さん(66)の作品が点在する彫刻公園で、前に春先に訪れたときもゆったりとした時間が漂っていて、心地よいひとときを過ごした。ここで安田さんが自ら講師を務める彫刻講座が開かれると聞き、緑の濃くなった季節に再び訪ねた。(札幌支局 藤井克郎)

 「今日はみなさん、難しいことはないな、彫れそうだな、という気がして来られたと思います。そんなことはありません。石に心を彫るなんて、この世のものとは思えません。これからみなさんは、どんどん壊すという行為をします。壊れても、どんなに醜くなっても、それがあなたの心です。展覧会に出そうとか、人に見せようとか、下心のある人はあきらめて、自分の心をさらけ出して戦ってください」

 アルテピアッツァ美唄の中にたたずむ体験工房「ストゥディオアルテ」で2日間にわたって行われる「こころを彫る授業」の冒頭、安田さんはこんなユーモラスな言葉で受講生に語りかけた。

 世界で最も美しいといわれるイタリア・カッラーラの白大理石を用いて実施するこの授業は、毎月第1土曜日曜に開かれているが、年に2、3回だけ、イタリアを拠点に活動している安田さんが講師を務める。それだけに人気は高く、取材に訪れた日も、道内はもとより、はるか関西や九州からを含め、定員いっぱいの約40人が参加した。

 授業はまず、大理石選びから始まる。人の頭の半分くらいの大きさの白い石が机の上に並べられ、一番くじを引いた人から選んでいく。それをルネサンス時代に使われていたのと同じ形という台座に乗せて、ノミとゲンノウで削っていく。「ヤスリやペーパーもありますが、すぐそんな安易な道具に頼らないで、これでがんばってください」と安田さんが発破をかける。

 授業が始まると、基本的に安田さんはほとんど口を挟まない。「あんまり言わない方がいい。自分の心がどうなのかなど忘れてしまう、その忘れるという時間が必要なのです。普通は忘れられないが、彫るという行為が難しければ難しいほど集中して、自分の心を忘れる。無になるんですね。そうして彫った痕跡、削った痕跡の残った石が目の前にある。それはその人の培ってきた人生の感覚なんです。本人は気がついていないが、ちゃんと正直に出てしまう」と安田さん。

 だが初心者に対しては、ノミの使い方の見本を見せることもある。安田さんから「ゲンノウは力を入れないで落とすだけでいい」と言われたという札幌市の会社員、中村靖史(やすふみ)さん(29)は、知人に誘われて初めて参加した。「何も考えずにたたいているのが爽快というか気持ちいい。まだまだ先は遠いですが、自分のイメージした形に近づいていると思うとうれしいですね」と話す。

 受講生は思い思いの場所に台座を出して、一心不乱に石を削る。静かな森の中を、カンカンカンというノミの音がこだまする。

 ほとんどノミを入れられない受講生もいた。札幌市の会社員、松本みどりさん(31)は「このままずっと触っていたい。何かもったいないんです」。一方で、一緒に参加した同僚の荒田まゆさん(30)は「何も考えないでがんがん彫っています。無心になれますね」と楽しそうだ。

 遠くから飛行機を利用して駆けつけた参加者にも話を聞いた。兵庫県川西市に住む会社員の岩元たまえさん(44)は、アルテピアッツァ美唄は年に1、2回は訪ねて、一人で1時間も一つの作品の前に座っていることがあるほど、大好きな場所だという。

 「授業はいつか受けたいと思っていましたが、なかなか仕事の休みと日程が合わなくて、ようやく実現しました。でも、こんなに汗だくになるとは思ってもみなかった。暑さで雑念が入りつつ、でも削れると気持ちいいですね」と満足げに話す。

 午前10時に始まった授業も午後4時には終了。翌日曜もあるが、2日間で思い通りに「こころを彫る」のは無理というものだ。希望者は、アルテピアッツァで石を預かってもらって、また次に来たときに続きを彫ることができる。

 すでに5回目という札幌市の会社員、渡辺ゆかりさん(45)の石は、滑らかな姿になっていた。「最初、へとへとになって帰るとき、安田先生から『あなたの心をお預かりしています』といわれ、以来、2カ月に1回は通っています。今日も先生に『よく触ってみなさい』といわれたのですが、まだぼこぼこしているところがある。まだ余分なものがあるんですね」

 アルテピアッツァとは、イタリア語で「芸術広場」を意味する。閉山になった炭鉱町の跡地、約7万平方メートルの広大な敷地内に木々や草花が生い茂り、その中に地元出身の安田さんの作品が点在するという施設で、平成4年にオープンした。公園内には、木造2階建ての旧小学校校舎を活用したギャラリーや元体育館のアートスペースなどがあるほか、水の広場では小さな子供が彫刻に触れながら水浴びを楽しんでいた。

 入場は無料で、どの作品も気軽に触れられる上、その作品名を記した案内板すらない。「今は家から一歩外に出たら、所有者がいて触っちゃいけないものだらけでしょ。その概念を少しでも崩したいと思った。それに手で触れることで感じるものは心に響く。子供は特に体で感じることが大切です。目で見ると知識にいってしまう。これは何年度の作品で、誰が作ったか、とかね。それでは感性が弱まってしまう。ここでは自由にして、その人の感性で感じてほしいと思ったんです」と安田さん。

 1日目の「こころを彫る授業」の終了時、安田さんはこんな言葉で受講生に語りかけた。

 「石を彫る音というのは最初は雑音に聞こえますが、だんだん自分のリズムになっていく。石を彫る音は一人一人、個性があって違うんです。明日からは自分の音を聞きながら彫ってください。石が心地いいと言ってるかどうか、わかりますから」

 《メモ》安田侃(やすだ・かん) 1945年、美唄市生まれ。70年、イタリア政府招聘(しょうへい)留学生として渡伊。北イタリアのピエトラサンタにアトリエを構え、彫刻の創作活動を続ける。主な個展に、91年「彫刻の道」展(ミラノ)、2000年「街における彫刻」展(フィレンツェ)、07−08年「時に触れる」展(ローマ)など。東京ミッドタウン、東京国際フォーラム、札幌駅JRタワーなど、世界各地に作品が設置されている。

 安田さんが講師を務める今年度2回目の「こころを彫る授業」が、9月18、19日に開かれる。参加費は一般1万5000円(白大理石)。8月16日締め切り。申し込み多数の場合は抽選になる。

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Posted at 09:01 in Business | WriteBacks (0) | Edit
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